アイズは平成6年6月1日、アイズアールブイワークスとし浜松の地で創業しました。 前半の10年はキャンピングカー・トランポの架装ビルダーして、後半はオートキャンプや車中泊に向けた用品を中心に自社開発、自社生産してきました。その間、仕事に対しては一貫した姿勢を保ってきました。
「網戸が欲しいな。作ってよ!」
車用網戸を作ることになったきっかけは浜松で開業して間もない頃に作ったハイエースのキャンピングカーのお客様のひとことでした。
ちょうど100系ハイエースのマイナーチェンジがあり後部窓ガラスの方式が変わったので、それまであった網戸を改良する必要がありました。
ひたすら考え続けた結果、工具なしで簡単に取り付け出来て、取り付けたままで窓の開閉も自在にできる「ウィンドーバネット」が出来上がりました。
基本構造は20年経た現在も、変わっていません。その後、4WD車やRV車へのご要望にお応えして車種を増やしてきました。
「あったらいいな、をカタチにしました」というフレーズは、今や使い古されていますが、モノや道具とは、元来、そうして出来上がってきたものと思います。
今までは無かった物や独創性のある物を造り出すことは、ものづくり屋のだいご味でもあります。
「マルチシェード」は20年以上前、既にヨーロッパに存在していた製品を日本向けにアレンジをして造り出しました。
跳ね上げ収納方式の「ベッドキットGOODY」は、荷物の車載性とベッド展開を両立させるべく考え出した製品です。
10年前には無かった方式ですが最近では、その利便性が広く認知される方式になりました。
「ロールインバグネット」も、車用としては今までに無かった方式の網戸です。
これからも、今までに無かった物や独創性のある製品を生み出していきたいと考えています。
もの作りに携わる者ならば、より良い物を作りたいのが心情です。お客様(使うひと)にとっての「良い物」であり尚且つ、作り手自身が納得できるもの。
それは、かつて日本人のもの作りに対する真摯な取り組みが日本製品を世界に冠たる MADE IN JAPAN に押し上げていったように結果として「良い物」になっているような、そんなもの作りを目指しています。20年前のマルチシェードは、生地や綿、アルミシート等を別々に裁断し周囲を縫い合わせた上で、1枚1枚工業用ミシンでステッチをかけてキルト状態にし、最後に周囲をテープで縫い合わせるという、手間のかかる方法で製作していました。
程なくして、キルト状態になっている原反生地を作ることにしました。ウエルダー加工(熱溶着)したり、ミシンキルト加工の業者さんにお願いしたりという時期もありましたが、現在は自社工場にキルトマシンを導入して、原反生地を自社生産しています。
自社でキルト加工ができるようになったことで、キルト加工業者さんにお願いしている頃にはやりたくても出来なかったことが、ようやく実現できました。
マルチシェードだけではなく、ウィンドーバグネットもロールインバグネットもベッドキットGOODYも自社生産しています。
それぞれの製品は、お客様から寄せられたご意見をもとに改良することもありましたし、品質向上や生産性を考慮して変更した点もあります。
自社生産だからこそ、品質向上を志向した積み重ねや、より責任が持てるモノ作りができるのではと考えています。
どの製品達もさらに「よいもの」になるように努力してまいります。
「良い物」の意味には様々な捉え方があります。
お安く思えるだけでも「良い物」ではあると思いますが、良く考え込まれていたり、しっかりと造り込んでいるなぁと思えるものが「ほんまもん」なのだと思います。
ウィンドーバグネット、マルチシェードは、発売から20年が過ぎました。ベッドキットGOODY(グッディ)も10年を越えるロングセラー商品となりました。
お車を買い替える度にお求め下さる方々や、長くお使い頂いているお客様も多くいらっしゃいます。これにして良かった、と感じて頂けることは、作り手として、非常にありがたく、うれしい限りです。商売として、いかに儲けるかを考える前にまず、作り手としての気概と誇りを持って、「本物」を作って行きたい。
今ある製品達の改良も、新しい製品の開発も、目指すところは「ほんまもん」です。
どの製品も熟成・改良を加えて、より良い「ほんまもん」にして行きたいと考えています。
20年前にマルチシェードやウィンドーバグネットを発売した当初はこんなに息の長い商品になるとは思っていませんでした。
製作上の失敗は数知れず、仕入れ材料の不具合や受注・発送のミス等、お客様にご迷惑をおかけしたことも数々ありました。
本当に多くの皆様にご愛顧いただいて今日に至っておりますことを心から感謝し御礼申し上げます。
アイズの自社製品は、常に自信と責任を持って送り出しています。
製品の良さをわかって欲しいし、それを出来るだけ多くの方に使って欲しいという思いがあります。
実店舗での対面販売ではなく、インターネットやお電話での通信販売だからこそ安心してお求めいただけるように、製品の製造からお客様への販売、アフターサービスまで、誠意と責任を持って取り組んでまいりますので、これからもどうぞよろしくお願い申し上げます。
株式会社アイズ
代表取締役 井澗 真章